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Manettia編集部

《インタビュー》中国語を学びたい人必見!キクタンの著者である目白大学 中国語学科 氷野先生へインタビュー(前編)

これから中国語を学びたい人必見!

「キクタン」の著者でもある氷野先生から、中国語の学習方法、台湾留学、映画・ドラマ・コミックなどのエンタメについてお話をうかがいました。





氷野先生はいままで何回台湾に行かれましたか?


氷野:正直数えていないのであまり覚えていないのですが、5回以上は行っているかなという感じです。台湾については、ほぼ台北になります。

 

◆台湾の行って良かった場所は?


氷野:ありきたりの返事で申し訳ありませんが、十分駅の周辺が結構好きです。台北から鉄道で約1時間半ぐらいで行ける場所にある駅になります。平渓線といって、日本統治時代に炭鉱開発のために敷かれた路線上にある駅ですが、十分老街では線路脇き(というか線路)を歩いて街中を散策することができます。列車がぎりぎりの場所を通過するのを見ることができるのもこの駅ならではの醍醐味です。また願い事を書いて空に飛ばす「天燈」が有名だったりする町です。願い事が書かれた「天燈」が空に舞い上がっていく姿(書かれている願い事…)を見ると飽きることはありません。

 

◆他にもおススメしたい場所はありますか?


氷野:だいぶ毛色が変わりますが、永楽布業商場といって、迪化街にある布市場もお勧めです。台湾っぽい模様や図柄が印刷された布をかなりお安く買えます。


(写真:氷野先生提供)



氷野:布市場で布を買って、自分だけのアイテムを作るのも面白いですよ。ちなみに私は、ここで買った中国語入りの布で作ったトートバックを愛用しています。


(写真:氷野先生提供)



◆台湾に行ったら、買ってくるといいよ、というお土産は?


氷野:台湾には「独立書店」というジャンルの本屋さんが各地にあります。本屋によって扱っている本のコンセプトが違っていて、書店ごとに特徴があるのですが、それぞれの本屋さんで扱っている本にも個性があって面白いです。またそこで売られている雑貨の中には、その本屋さんでしか買えないものなどもあり、個人的にはおすすめです。


(写真:氷野先生提供)



氷野:食べ物系では割と有名なお店になりますが「你好我好」というお店の澎湖花生酥がおすすめです。食べ出したらとまりません。


(写真:氷野先生提供)



氷野:あと文房具屋やいわゆる雑貨屋的なところも私的には外せないところで、中国語が入った様々なグッズを見つけることができます。雑貨店で購入した注音符号のおもちゃで「目白」と書いてみました(笑)。


(写真:氷野先生提供)



◆では、いま学生に人気の、おススメ中国/台湾の映画・ドラマ・コミックを教えてください!


氷野:台湾の漫画で人気どころを探るのであればまずは「金漫獎」をチェックしてみましょう。台湾の文化部が主催する優れた漫画家や漫画を表彰する一大イベントで、良質な漫画や将来性のある作家さんなどをいち早く知ることができます。


(*台湾発のハートフルコミック『ヘレナとオオカミさん 上・下』(原題:『海倫娜與大野狼先生』台湾角川刊)が、台湾で最も権威のある漫画賞「金漫獎」で、金漫大賞を受賞/画像:KADOKAWAホームページより)



氷野:台湾の最大級のオンライン書店である「博客來」の「漫畫」カテゴリー(全站分類→中文書漫畫/圖文書)を開いてみると台湾の人たち人気の漫画の傾向がみてとれます。台湾の漫画にまじって、『芙莉蓮的旅程』(葬送のフリーレン)、『鏈鋸人』(チェンソーマン)、『超人X』(超人X)、『迷宮飯』(ダンジョン飯)など日本の有名漫画タイトルの翻訳版も並んでいることが分かります。また、電子版で台湾の漫画を少し読んでみたいという人には「CCC」という漫画アプリがおすすめです。

 

◆氷野先生イチオシの作品は?


氷野:台湾の漫画は日常を描いたものや近代の歴史を扱ったもののレベルが非常に高いと感じています。そのため、私個人としては、近代台湾を描いた歴史ものと、日常的な台湾の生活が読み取れる作品が推しになります。

 

・『芭蕉的芽』(左萱)…1930年代の台湾が舞台の漫画、当時実在した難関中の難関である台北高校を舞台に、主人公の医者になって欲しいという家族の期待を一身に背負った台湾人学生と、読書好きで授業をサボりすぎて退学の危機に陥っている日本人学生とが親友となり、青春を謳歌する物語。1930年代の時代背景や、台北高校に関する史料を綿密に調べ上げたうえで書かれているのが特徴的です。

・ 『採集人的野帳』(英張)…「植物の大命名時代」である大正時代の台湾で、薬草堂の跡継ぎの主人公が、店番中に誤って植物学者がまだ発表していない採集レポートを燃やしてしまったことをきっかけに、父親に植物園へ送り込まれ、労働によって返済する旅を描いた作品です。

・『用九柑仔店』(阮光民)は、祖父が倒れたという知らせを受け、数年ぶりに台北から帰郷した主人公が店仕舞いをするつもりで訪れた祖父の「よろず屋」を舞台に成長していく姿を描いた物語です。ドラマ化もされています。

(*日本語題 / いつでも君を待っている)

 

◆おススメ台湾(中国)料理を教えてください。


氷野:魯肉飯ですね!お店にごとに味や見かけが違っているのが面白いです。同じものとは思えないぐらい店によって違うので、とりあえずはじめて台湾に行ったら、毎食違うお店で食べ食べ比べるのも良いかなと思います。

 

◆自宅で作る台湾(中国)料理はありますか?


氷野:大根餅ですね!大根を千切りにして、サクラエビや小麦粉や片栗粉などを混ぜて作る料理ですが、大根とは思えないぐらいとろとろになります。外はごま油でカリっとして、作る手間は結構かかりますが、大根を切るときは何も考えないで頭をからっぽできるのも個人的なおすすめポイントです。


(写真:氷野先生提供)



◆最近の日本での「台湾人気」、氷野先生はどのように見ておられますか?


氷野:台湾をはじめとして中国語圏に興味を持つ人が増えることは中国語を教えている私としてはうれしい限りです。いまはAIや翻訳ツールのおかげで、その土地で話される言葉が分からなくてもなんとかなる場面が増えましたが、訪問する国の文化や風習や言葉を少しでも良いので知識を持ってから行って欲しいなと感じます。特に言葉を勉強することで、その国の人々の考え方や、背後にある長い歴史の蓄積なども知ることができると思います。これはAIや翻訳アプリを利用するだけでは身につかない感覚だと思っています。台湾に旅行に行く前には、ぜひ台湾の言葉や文化についてふれている本を1冊でもいいので読んでみてください。

あと個人的には、機会があれば台湾で「環島」をやってみたいなと思っています。「環島」とは徒歩や自転車などで台湾を一周する旅のことですが、既成の旅行では見られないような場所も見られるんじゃないかと、上述の博客來で、台湾で出版された雑誌や書籍を見てその日を妄想しています。台北だけではなくいろんな台湾の姿を見ることができそうですね。

 


(photo&edit:Kiyori Matsumoto)

 


【後編】につづく。後編は中国語を学びたい人必見!

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